福岡市早良区の形成外科・皮膚科の星の原クリニックです【怪我】【火傷】【レーザー治療】後に出来るシミの事を【炎症性色素沈着・PIH】と言います、このページではレーザー治療後のPIHの原因と治療について医師が解説します。
以下の内容は院長の林が執筆しています「文責:星の原クリニック院長 医学博士 林 俊」
レーザー治療後のPIHとは
せっかく取れ たシミが『すぐに出てきた』と患者さんに取ってはかなりガッカリです、世界中のレーザー治療医が対策を研究していますが、未だにPIHを完全に予防出来てず、また良い治療法がありませんでした。
戻りシミの原因
以下のような原因が考えられます、3番、4番特に大切です。- 体質
- レーザーの反応が強すぎ
- 摩擦
- 日焼け
- 喫煙
PIHの頻度
一般的にはレーザー治療後のPIHの頻度は30〜40%と言われて施設によって幅があります、当院では様々な工夫で現在では20%程度に抑えています。
ほとんどのPIHは自然に消えます
99%のPIHは半年で自然に薄くなりますが、【体のPIH】の場合は2年近く残ることがあります。- 1ヶ月後にPIHがある頻度40%
- 3ヶ月後にPIHがある頻度:11%
- 6ヶ月後にPIHがある頻度:1%以下
PIHのピークは施術後一ヶ月です
- レーザー照射後の【カサブタ】が取れた後の赤みが強い場合はPIHが起こりやすいです
- PIHのピークはレーザー施術後1ヶ月です
- その後少しずつ薄くなっていきます
- 1ヶ月後に【もどりシミ】が出ていなければ、まず大丈夫です。
戻りシミ・PIHの経過写真
PIHの予防
治療後の一ヶ月の管理でPIHができるかどうかの命運を分けます。スキンケア
とてもとても大切です!PIHの原因の多くは治療後の不適切なスキンケアが原因です!治療後のスキンケアについては、施術後に担当者より詳しく説明いたします。
- 摩擦防止
- 紫外線予防
- 保湿
外用薬
照射後4〜6週間、【弱い外用ステロイド軟膏】が、経験上高いPIH予防効果があります。またシミ取り外用薬の【ハイドロキノン・トレチノイン】もPIHの予防に効果的です。
PIHの治療
マルチパス照射に治療が行われる前は良い治療法がなく、治療の難しい治療でした。レーザートーニング・ピコトーニング
1〜2週間間隔で弱いレーザー、レーザートーニング・ピコトーニングを行うと早くPIHが薄くなることがあります、欠点は手間とコストがかかることです。
内服薬
シミの内服薬【トラネキサム酸・ビタミンC・ビタミンE】の内服を行うこともあります、劇的に効くというわけではありません。
ハイドロキノン・トレチノン
シミの標準的な外用治療です、自宅で出来る治療です。
時間
時間・待つ事はとても有効な治療手段です、99%は半年で改善します。
マルチパス照射
長い間、PIHには有効な治療方法がありませんでしたが、当院が【肝斑の治療】に使用いているマルチパス照射がPIHに良く効きます。PIHもどき
一度消えがシミが、PIHと異なり6ヶ月以上経過しても薄くならないタイプのシミです、【PIHもどき】は顕微鏡写真で見ると表皮の底の形がいびつです(出芽タイプ)。
平坦 or 出芽?
【PIHもどき】のシミの治療前後
『PIHもどき』のシミは治療で取れた様に見えますが、深い部位にあるシミが取りきれておらず、シミが再発してきます、PIHと異なり時間が経過しても薄くなりません、高出力での再照射が必要になります。