重度のアレルギー体質(アトピー・花粉症)で一般的な治療で症状が改善しない方に行う注射です、アレルギーに対する対処療法ではなく、本来生体に備わっているアレルギー反応を抑制する作用を与えます。
ヒスタグロビン治療の特性
- 痒い部位へ好酸球が移動するのを抑えます
- 痒みの原因物質【ヒスタミン】が出るのを抑制します
- 【ヒスタミン】に対する防御力をつけます
非特異的減感作療法
以下の内容は院長の林が執筆しています「文責:星の原クリニック院長 医学博士 林 俊」
全てのアレルゲンに対してのアレルギー反応を抑える治療法です、血液検査で非特異的IgEや好酸球が極めて高い方などに良く効きます。気管支喘息、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、に有効で、有効率は50〜70%と言われている。
ヒスタグロビンとは
ヒスタグロビンは商品名です、献血などから抽出した免疫グロブリン(抗体・Ig)に微量な抗ヒスタミン剤を加えた薬で一般名を「ヒスタミン加人免疫グロブリン製剤」といいます、プラセンタと同じ生物製剤になりますので、ヒスタグロビンの治療を受けたことがある患者さんは献血ができなくなります。
ヒスタグロビンの治療成績
投与方法 | 症例数 | 有効率 | |
アレルギー性鼻炎 | 1回1バイアル | 52 | 67% |
1回 2〜3バイアル | 112 | 60% | |
アトピー性皮膚炎 | 1回1バイアル | 57 | 58% |
1回 2〜3バイアル | 39 | 54% | |
蕁麻疹 | 1回1バイアル | 64 | 72% |
1回 2〜3バイアル | 57 | 51% | |
喘息 | 1回1バイアル | 60 | 73% |
1回 2〜3バイアル | 22 | 59% |
副作用
大きな副作用は稀ですがショックを起こす可能性はゼロではありません、また製造過程で最近やウイルスの除去を行っていますが未知の生物を含めて感染症の可能性はゼロではございません、しかし1967年に発売以来、約50年間、ヒスタグロビン注射による感染症の報告はありません。
ノイロトロピンとの併用
ヒスタグロビンの効果を高めるためノイロトロピンを加えます。ノイロトロピンは、ワクシニアウイルスを接種したウサギの炎症皮膚組織から抽出したエキスをもとに作っています。ヒスタグロビンとは別の機序で働くために、さらなる相乗効果が期待できます。
治療スケジュール
- 1週間に1〜2回を6回を1クールとします。
- 治療効果が不十分な場合は更に1クール、2クール目は1回投与量を3バイアルまで増量可能。
- 効果を維持するために3〜4ヶ月に1回注射をします。
ヒスタグロビンの治療が出来ない方
- 月経期間中
- 妊婦
- 喘息発作時
- ステロイド内服している方
- ヒスタグロビンでアレルギーを起こしたことがある方
- 2週間以内にワクチンを接種した方
治療費
- 初診では3割の方で約1,200円、1割の方で約400円
- 再診では3割の方で約1,000円、1割の方で約300円