ピーリング外用剤はメインになります、
以下の内容は院長の林が執筆しています「文責:星の原クリニック院長 医学博士 林 俊」
はじめに
2008年までは日本ではピーリング外用薬の保険適応がなく、まともにニキビを治療することができませんでした、その後も様々なピーリング外用の保険適応が始まり、今ではまずは保険での治療をお勧めしています。
- 思春期のニキビは保険診療で9割は治ります。
- 治療には2〜3ヶ月必要です!すぐには治りません。
- 根気が必要、1〜2週間で簡単にニキビは治りません!
背中・前胸部のニキビ
背中・胸のニキビは顔のニキビと異なり、真菌のマラセチアが関係していることが多く、治療薬が顔のニキビとは違います。 ⇒ 背中・胸部のニキビ
- 背中・胸のニキビはマラセチアが原因の事が多く、難治性の事があります。
- まず抗真菌薬の外用薬か内服薬を使用します。
- 漢方薬が飲める方は十味敗毒湯を処方いたします。
- 抗真菌剤入の石鹸が有効な場合があります。
- シミが酷い場合はレーザー治療します。
ディフェリンゲル(アバタレン)
- ベピオゲルと並ぶニキビの基本薬です。
- 皮脂腺の分泌を抑制し、毛穴のつまりを改善します。
- 新しいニキビを出来にくくします。
- よく出来る部位に広めに塗り必要があります。
- 薬の作用として赤みや乾燥しやすくなります。
ベピオゲル(過酸化ベンゾイル・BPO)
- アメリカとEUの標準的ニキビ治療薬です。
- 2015年春より日本でも保険で出せるようになりました。
- 殺菌作用と漂白作用があります。
- ディフェリンゲルと併用することもあります。
過酸化ベンゾイルの症例1
ディフェリンゲルが肌に合わなかった患者さんです、新しいニキビができなくなりました、赤みは1~2ヶ月で引きます。
過酸化ベンゾイルの症例2
高校1年生の女子、前額部に多数のニキビがあります、ディフェリンゲルで治療していましたが効果がなく、過酸化ベンゾイル(ベピオゲル)で改善しました。
デュアック配合ゲル(過酸化ベンゾイル・BPO)+抗生剤
抗生剤が配合されているため、試用期間は3ヶ月です。
- 過酸化ベンゾイルと抗生剤ダラシンとの合剤です。
- 炎症が強く、赤みの強いニキビに使用します。
- 炎症が改善すればベピオゲルかディフェリンゲルに変更します。
ベピオゲルとデュアック配合ゲル使用方法
過酸化ベンゾイル配合薬(ベピオゲルとデュアック配合ゲル)は水との相性が悪く、使用方法にコツがあります。
- 洗顔:十分に水分を拭き取ります。
- 保湿:5分〜自然乾燥させます。
- 保湿剤が乾いたらベピオゲルを薄く塗り拡げてください。
エピデュオゲル(アバタレン+過酸化ベンゾイル)
ニキビの代表的な治療薬2剤が混合された軟膏です、欧米では2008年頃にすでに市場に出ていた薬で、日本では2016年冬にやっと処方することが出来るようになりました。
外用抗生物質
- 当院では1日1回のゼビアックスローションを良く処方します。
- 赤みが強いニキビ、膿をもったニキビに使用します。
- 患部にピンポイント!で塗ります。
内服抗菌剤
ニキビ菌に効果があります、中等度以上のニキビの患者さんに処方することがあります。
膿を持ったニキビが多い時に使用します、目眩を起こすことがあります、その際は内服を中止してください。
- テトラサイクリン系抗生物質のビブラマイシンを基本としています。
- 同系統のミノマイシンに比べて目眩の副作用が少ない。
- 内服期間は長くても1ヶ月程度です。
抗真菌剤
背中・胸・肩のニキビに使用します、マラセチアという真菌(カビ)が原因ですので、抗真菌薬を使用します。
硫黄カンフルローション
ニキビダニの治療に使用します。一般的な治療で改善しない場合はニキビダニが原因の場合があります。その場合はニキビダニに効く硫黄カンフルローションを使用します。
漢方薬
漢方薬が飲める方は是非試してみてください、効き具合は個人差が有りますが劇的に効くことも珍しくありません。ニキビ以外に体質改善作用があります。
- いろいろな種類があります、ニキビの状態、年齢、性別、体調に合わせて選びます。
- 薬との相性が合えば効果抜群です。
- 体質改善などのおまけ付き。