このページは星の原クリニック 院長 林俊(医学博士)が記載したものです。
眼の開くしくみ
瞼を開くには、①脳 ➡ ②動眼神経 ➡ ③眼瞼拳筋 ➡ ④挙筋腱膜とシグナルが伝達されます、挙筋腱膜は瞼にある軟骨(瞼板)に付着しており、瞼を上に引き上げます。 眼瞼下垂という病気は、この4つの組織のどれかが機能しない場合に発症します。
ミュラー筋
眼瞼挙筋の下にある筋肉は【ミュラー筋】と言い、交感神経が支配しており、自分の意志では制御できません。
トレーニングについて
眼瞼下垂に効果があるとされるトレーニングで、一般的に流布されているものには、まぶたの上をマッサージする、まぶたを上げる筋肉(拳筋)を鍛えるというもの等が見受けられますが、どれも医学的な根拠に乏しい為、過度な期待をしないことです。 眼瞼下垂はゴムのような筋膜が伸び切ってしまう、または離断して発症する為、まぶたをマッサージしたり、意図的に過剰に動かしたりしても、緩んだり・断絶した挙筋腱膜は決して戻りません、過度のマッサージは逆に症状を悪化させる可能性が高いです。
眼瞼下垂の予防方法
老化によって筋膜が緩んでくる老人性の眼瞼下垂については予防が難しいですが、まぶたに負担がかかる生活習慣を避けることで予防効果があるとは考えられます。 当院でも、下記の様な生活習慣が原因で眼瞼下垂の手術を行う方が多くいらっしゃっています。
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- ハードコンタクトレンズを長期間使用している
- 花粉症・アトピー性皮膚炎等で日常的にまぶたをこする
- アイメイクを落とす際に強くクレンジングを行う
これらの行為に気を付けることで、ある程度の予防が可能です。花粉症・アトピー性皮膚炎の患者さんは日頃からしっかりと外用薬で痒みをコントロールして上瞼を強く擦らないようにしてください、またハードコンタクトレンズを使用されている患者さんはなるべくソフトコンタクトレンズへの切り替えてをお勧めします。