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似顔絵 円形型脱毛症は頭髪が円形に抜ける病気です。以前は治療が難しかったのですが、2009年4月より紫外線・エキシマライト治療が保険適用され、治療成績が格段に改善されました。このページでは、円形性脱毛症の原因、治療法、似た病気について医師が解説いたします。

以下の内容は院長の林が執筆しています。「文責:星の原クリニック院長 医学博士 林 俊

 

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円形性脱毛症の原因・頻度・症状について

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円形性脱毛症は比較的速やかに治るものと瘢痕化して治療の難しいものまであります、治療では近年保険適当となったエキシマライト治療が有効です

円形性脱毛症の頻度

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人口の1〜2%に起こると言われています。性別や年齢を問わず発症し、1/4は15歳以下で発症するため、子供から大人まで影響を受ける病気です。

円形性脱毛症の原因

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円形脱毛症の原因は自己免疫反応です。免疫細胞(リンパ球)が誤って正常な毛根を攻撃すると考えられています。多くの場合、ストレスが原因ですが、なぜストレスでリンパ球が暴走するのかは解明されていません。

円形性脱毛症の症状

円形性脱毛症
境界がはっきりした円形〜楕円形の脱毛が単独、または複数出現します。痒み・赤み・痛みはなく、美容院や散髪の時に指摘されることが多いです。治療せずに悪化すれば、全頭脱毛症に広がることがあります。

 

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円形性脱毛症の重症度分類

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  1. S0: 脱毛がみられない
  2. S1: 脱毛巣が頭部全体の25%未満
  3. S2: 脱毛巣が25~49%
  4. S3: 脱毛巣が50~74%
  5. S4: 脱毛巣が75~99%
  6. S5: 100%(全頭)脱毛

 

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円形性脱毛症の治りやすさ(予後について)

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円形脱毛症の経過や治療後の回復の見込みのは予後は個人差があり、以下のようなパターンがあります。

  1. 自然治癒するケース:単発の小さな脱毛斑の場合、約80%が1年以内に自然に回復します。
  2. 治療に反応して改善するケース:適切な治療を行うことで、多くの患者さんで症状の改善が見られます。ただし、治療期間は数ヶ月から1年以上かかることもあります。
  3. 慢性化・再発を繰り返すケース: 約1/3の患者さんでは1年以上症状が続く慢性型に移行します1。この場合、治療に対する反応が鈍くなり、完全な回復が難しくなることがあります。
  4. 重症化するケース:慢性型の一部(約30%)は全頭型に、15%は汎発型に進行する可能性があります、これらの重症型では、回復率が10%以下と低くなります。

 

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治りやすさ(予後)に影響する主な因子

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  1. 円形性脱毛症の発症年齢
  2. 脱毛の範囲
  3. 罹患期間
  4. 家族歴:円形脱毛症の家族歴がある場合、予後が悪い傾向にあります。
  5. アトピー素因や自己免疫疾患の合併
  6. 全頭脱毛症や汎発性脱毛症がみられる場合は、局所的な円形脱毛症よりも予後が厳しいとされます。

 

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一緒によくできる病気

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円形性脱毛症は自己免疫の暴走により、他の自己免疫性疾患を合併することがよくあります。

  1. 甲状腺疾患(8%)
  2. 尋常性白斑(4%)
  3. SLE
  4. 関節リウマチ
  5. 糖尿病(1%)

 

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円形性脱毛症に似た病気

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頭部の脱毛を起こす病気は他にもいろいろあり鑑別診断が必要です、治りが悪いときは精密検査が必要となります。

SLE / DLE
代表的な膠原病で、原因不明の炎症性の病気です、脱毛部に発赤・炎症があります、赤く炎症があるので円形性脱毛症は見え方が異なります。
限局性強皮症
上記の慢性皮膚エリテマトーデス(DLE)の一型で、以下の特徴があります 境界明瞭な紅斑 鱗屑、毛孔性角栓 瘢痕性脱毛 そう痒、紅斑、および落屑を伴う
ケルスス禿瘡
カビが原因の脱毛で、円形性脱毛症のようにツルッとしていません。
トリコチロマニア

患者自身が髪の毛を引き抜く症状で、学童の女児に多く見られます、毛根が残っているのと、髪の毛が断面で判別可能です

毛孔性扁平苔癬(LPP) 毛孔性扁平苔癬(LPP)は、原発性瘢痕性脱毛症の一種で、以下のような特徴があります:
  1. LPPの有病率は米国成人10万人当たり13.4人と推定されています。
  2. 女性に多く、70〜79歳の高齢者で最も有病率が高くなっています。
  3. 細胞傷害性Tリンパ球により毛包皮脂腺構造が破壊され、最終的に線維性組織で置換されます。
前頭部線維化脱毛症(FFA)
上記のLPPの亜型と思われています、FFAは比較的新しく認識された疾患で、瘢痕性脱毛症の一種です。主に閉経後の女性に多く見られますが、閉経前の女性や男性にも発症することがあります。

主な特徴

  1. 脱毛パターン: 前頭部から側頭部にかけての帯状の脱毛が特徴的です。
  2. 皮膚の変化: 脱毛部位の皮膚は萎縮し、やや光沢を帯びた外観を呈します。
  3. 組織学的所見: 毛包周囲のリンパ球浸潤と線維化が認められます。
  4. 進行性: 緩徐に進行し、前頭部の生え際が後退していきます。
  5. 進行性:他の症状: 眉毛の脱毛を伴うことがあります。
禿髪性毛包炎
赤くて炎症があります、まれな型の瘢痕性脱毛症で、慢性的な深部毛包炎により広い範囲で頭髪が抜けます。毛髪が束になって残ることがあり、正確な病因は不明ですが、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)に対する異常な免疫反応が関与していると考えられています。遺伝的素因や自己免疫疾患との関連も示唆されています。
頭皮酒さ
酒さ自体が原因不明な疾患ですが、頭皮に出来る場合があります、発赤や膿疹が起こり、最終的には薄毛になります。
Pseudocyst of scalp
頭皮の皮下に偽嚢腫(液体が溜まった袋)があり、その上の頭髪が脱毛します。当院では一例を経験しています。
梅毒性脱毛

円形性脱毛症の主な症状

  1. 頭部の後ろからサイド部分にかけて広範囲に脱毛が起こります。
  2. まだら状の脱毛
  3. 虫食い状(moth-eaten)の脱毛
  4. 全体的に薄く脱毛する場合もあります
  5. 眉毛や睫毛の脱毛が生じることもあります
  6. 痒みや痛みを伴わないことが多いです
  7. 円形脱毛症と似た症状を呈することがあります

 

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円形性脱毛症の治療

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リンパ球が暴走して毛根を攻撃しているため、【暴走したリンパ球】を除去する治療を行います。

外用薬

ステロイド軟膏で局所的に【暴走したリンパ球】を弱らせ、おとなしくさせます、また血流を良くする薬を併用して発毛を促進します。

内服

【セファランチン】【グリチルリチン】が使用され、重症進行例では【ステロイドの内服】を行います。

紫外線治療・エキシマライト

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紫外線・エキシマライトは皮膚のリンパ球を弱らせます。2020年4月より保険診療が可能となり、ステロイド軟膏と【紫外線・エキシマライト】の組み合わせで、多くの円形性脱毛症は治療可能です。3割負担で1回1000円、1週間に1〜2回の治療が理想です。

似顔絵 今まで治らなかった円形性脱毛症にも効果あり! 【円形性脱毛症】は痛くも痒くもないため、多くの場合、本人が気づかず、気づいた時には立派な【丸い脱毛】ができてしまっていることが多いです。エキシマライトが保険適用になる前は、治療に苦労しましたが、エキシマライトの導入後は治療成績が大幅に改善しました。円形性脱毛症でお悩みの方は、一度ご相談ください。

 

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円形性脱毛症の治療前後の画像

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円形性脱毛症のQ&A

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主な症状は、頭髪や体毛が突然、円形または楕円形のパッチで脱毛することです。脱毛部位は通常、頭皮ですが、顎、眉毛、ひげ、体全体に広がることもあります。

いいえ、円形性脱毛症は感染症ではないため、他人に感染することはありません。

はい、円形性脱毛症は性別や年齢を問わず誰にでも発症する可能性があります。特に、家族に円形性脱毛症の既往がある場合、発症リスクが高まることが知られています。

主に以下の方法で診断されます:

  • 視診と問診
  • 毛髪の顕微鏡検査
  • 皮膚生検(必要な場合)
  • 血液検査(他の自己免疫疾患の可能性を確認)

治療法には以下のようなものがあります:

  • ステロイド外用薬
  • ステロイド局所注射
  • ミノキシジル外用薬
  • 免疫抑制剤
  • 光線療法
  • 接触免疫療法
  • 漢方薬

はい、円形性脱毛症は自然に回復することもあります。一部の人は再発を経験せずに髪が完全に再生しますが、他の人は再発のリスクが高いこともあるので、経過観察が必要です。

完全な予防法はありませんが、以下のことが有効かもしれません:

  • ストレス管理
  • 健康的な食生活
  • 十分な睡眠
  • 規則正しい生活

 はい、ストレスが円形性脱毛症の誘因や悪化要因になることがあります。また、脱毛症自体がストレスの原因となり、症状を悪化させる悪循環に陥ることもあります。

はい、円形性脱毛症は年齢を問わず発症する可能性があります。子供の場合、自然回復の可能性が高いとされています。

円形性脱毛症は、他の自己免疫疾患(例:1型糖尿病、甲状腺機能亢進症など)と関連していることがあります。医師はこれらの疾患についても検査を行うことがあります。

 

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