
頭皮酒さとは?

頭皮酒さは、顔にできることが多い一般的な皮膚疾患「酒さ(しゅさ)」が頭皮にできたものです。酒さは、顔の赤み、ほてり、ブツブツなどを特徴とする慢性的な炎症性皮膚疾患で、完治は難しいものの、適切な治療で症状をコントロールできる病気です。

頭皮酒さの症状

- 赤み: 頭皮が赤くなる、炎症を起こしている状態です。
- かゆみ: 頭皮にかゆみを感じることがあります。我慢できずにかきむしると、さらに症状が悪化することもあるため注意が必要です。
- フケ: 頭皮が乾燥して、フケのようにポロポロと剥がれ落ちることがあります。
- テキストが入ります。
- ブツブツ(丘疹・膿疱): 頭皮に赤いブツブツ(丘疹)や、膿を持ったブツブツ(膿疱)ができることがあります。ニキビと間違われることも多いです。
- 痛み: 頭皮に痛みを感じることもあります。特に、炎症が強い場合や、ブツブツを触ったときに痛みを感じることがあります。

酒さって何?顔に出るものじゃないの?

その通り、酒さは主に顔に出るものです。顔の中心部、特に頬、鼻、額、顎などに赤みやほてり、血管の拡張、ブツブツなどの症状が現れます。しかし、酒さは顔だけでなく、頭皮や首、耳などにもできることがあります。

頭皮酒さの原因は?

実は、頭皮酒さを含む酒さの正確な原因はまだはっきりとわかっていません。しかし、以下のような要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
- 遺伝的要因: 家族に酒さの方がいる場合、発症するリスクが高くなると考えられています。
- 免疫異常: 免疫システムが過剰に反応することで炎症が引き起こされるという説があります。
- 血管の異常: 血管が拡張しやすく、血流が増加することで赤みやほてりが起こると考えられています。
- デモデックス(ニキビダニ): 顔に常在するダニの一種であるデモデックスが、酒さの患者さんで多く見られることがわかっています。デモデックスが炎症を引き起こしている可能性が指摘されています。
- 環境要因: 紫外線、気温の変化、ストレス、アルコール、香辛料などが症状を悪化させる要因として知られています。

頭皮酒さはどうやって診断するの?

- 問診: 症状の出始めた時期、症状の推移、生活習慣、既往歴などを詳しく聞きます。
- 視診: 頭皮の状態を実際に見て、赤み、フケ、ブツブツなどの有無を確認します。
- ダーモスコピー: ダーモスコープという特殊な拡大鏡を使って、皮膚をより詳しく観察します。
- 皮膚生検: 必要に応じて、皮膚の一部を採取して顕微鏡で調べる病理検査を行うことがあります。

頭皮酒さの治療法は?

頭皮酒さの治療は、症状の重症度に合わせて、以下のような方法を組み合わせて行います。
外用薬(塗り薬)
- メトロニダゾール: 抗菌作用、抗炎症作用を持つ塗り薬です。
- イベルメクチン: デモデックスに対する駆虫作用を持つ塗り薬です。
- アゼライン酸: 抗炎症作用、抗菌作用を持つ塗り薬です。
内服薬(飲み薬)
- テトラサイクリン系抗菌薬(ミノサイクリン、ドキシサイクリンなど): 抗菌作用、抗炎症作用を持つ飲み薬です。
- メトロニダゾール: 塗り薬と同じく、抗菌作用、抗炎症作用を持つ飲み薬です。
- レクチゾール:難治性の時に内服します

生活習慣の改善

- 刺激の強いシャンプーやヘアケア製品を避ける: 頭皮への刺激を減らすために、低刺激性のシャンプーやヘアケア製品を使用するようにしましょう。
- 熱すぎるお湯で洗わない: 熱すぎるお湯は頭皮を乾燥させ、症状を悪化させる可能性があります。ぬるま湯で洗うようにしましょう。
- 紫外線対策: 紫外線は酒さの悪化要因となります。帽子や日傘などで頭皮を紫外線から守りましょう。
- ストレスをためない: ストレスも酒さの悪化要因となります。十分な睡眠をとり、リラックスできる時間を作るようにしましょう。
- アルコールや香辛料を控える: アルコールや香辛料は血管を拡張させ、症状を悪化させる可能性があります。摂取を控えるようにしましょう。

頭皮酒さは完治するの?

残念ながら、現在のところ、頭皮酒さを完全に治す治療法はありません。しかし、適切な治療と生活習慣の改善によって、症状をコントロールし、日常生活に支障をきたさないようにすることは可能です。

まとめ

頭皮酒さは、顔に出る「酒さ」が頭皮にできたものです。赤み、かゆみ、フケ、ブツブツなどの症状が現れます。完治は難しいものの、適切な治療で症状をコントロールできる病気です。もし、頭皮の症状で気になることがあれば、早めに皮膚科を受診しましょう。