梅毒

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梅毒脱毛症とは?

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梅毒は、性行為を介して感染する細菌性感染症(STI)です。早期に治療すれば完治しますが、放置すると心臓や脳など全身に影響を及ぼし、深刻な健康被害をもたらす可能性があります。梅毒性脱毛症は、梅毒の第2期に現れる特徴的な症状の一つです。ここでは、梅毒性脱毛症について、より詳しく解説します。

 

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梅毒の進行と第2期梅毒

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梅毒は、感染から症状が出るまでの期間や症状の現れ方によって、いくつかの段階に分けられます。/p>

第1期梅毒:

感染後約3週間~3ヶ月。感染部位(主に性器や口)に痛みのないしこり(初期硬結)や潰瘍(硬性下疳)ができます。これらの症状は、治療しなくても数週間で自然に消えてしまいます。しかし、治ったわけではなく、体内に菌は残っています。

2期梅毒

第1期の症状が消えてから数週間~数ヶ月後。細菌が血液を介して全身に広がります。この時期に様々な症状が現れます。梅毒性脱毛症もこの時期に起こります。

第3期梅毒 (晩期顕症梅毒)

感染後数年~数十年。心臓、血管、脳、神経などに深刻な障害が現れます。

潜伏梅毒

第1期、第2期、第3期のいずれの症状も現れていない状態です。検査をしなければ感染に気づくことはできません。

 

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梅毒性脱毛症の現れ方

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第2期梅毒で起こる脱毛は、大きく分けて2つのパターンがあります。

虫食い状脱毛症 (Moth-eaten alopecia):

これが最も特徴的な脱毛パターンです。頭皮に小さな円形または楕円形の脱毛斑が複数できます。その様子が、まるで虫に食われた布のように見えるため、「虫食い状」と呼ばれます。境界は比較的はっきりとしており、炎症や強いかゆみは伴わないことが多いです。

びまん性脱毛症:

頭皮全体が均一に薄くなる脱毛パターンです。これは梅毒性脱毛症に特有のものではなく、他の原因(男性型脱毛症、甲状腺疾患など)でも見られる症状です。そのため、びまん性脱毛症だけでは、梅毒と診断することは困難です。

 

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脱毛が起こる部位

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梅毒性脱毛症は頭髪だけでなく、以下のような部位にも起こることがあります。

  1. 眉毛: 特に眉毛の外側1/3が薄くなることが特徴的です。
  2. まつ毛
  3. ひげ
  4. 体毛 (腋毛、陰毛など)

 

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脱毛以外の第2期梅毒の症状

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梅毒性脱毛症は、第2期梅毒の一症状です。そのため、脱毛以外にも以下のような症状を伴うことがあります。

  1. 皮膚の発疹 (バラ疹、丘疹性梅毒疹、梅毒性乾癬): 体幹や四肢に、赤みのある発疹(バラ疹)や、少し盛り上がった発疹(丘疹性梅毒疹)、銀白色の鱗屑(りんせつ:皮膚表面が剥がれ落ちたもの)を伴う発疹(梅毒性乾癬)が出現します。これらの発疹はかゆみを伴わないことが多いです。
  2. 粘膜疹: 口の中や性器などに、粘膜のただれや潰瘍が現れます。
  3. 扁平コンジローマ: 肛門や性器周辺に、イボ状のしこりができます。
  4. リンパ節の腫れ: 全身のリンパ節、特に鼠径部(足の付け根)のリンパ節が腫れます。
  5. 全身症状: 発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛などの全身症状が出ることがあります。5

 

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診断と検査

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梅毒性脱毛症が疑われる場合、問診、視診に加えて、血液検査(梅毒血清反応)で診断します。

  1. 問診: 性行為歴、症状の経過などを詳しく確認します。
  2. 視診: 脱毛のパターンや、他の皮膚症状の有無を確認します。
  3. 血液検査 (梅毒血清反応): 梅毒の抗体があるかどうかを調べます。主にSTS法とTPHA法(またはTP法)という2種類の検査を組み合わせて診断します。これらの検査結果を総合的に判断して、梅毒かどうか、病期はどこかを判断します。

 

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治療と予後

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梅毒性脱毛症は、梅毒自体の治療を行うことで改善します。

  1. 抗菌薬による治療: ペニシリン系の抗菌薬(主に筋肉注射)が第一選択です。ペニシリンアレルギーがある場合は、他の抗菌薬を使用します。治療期間は病期によって異なります。
  2. 毛髪の回復: 適切な治療を行えば、多くの場合、数ヶ月~半年程度で毛髪は再び生えてきます。しかし、脱毛の範囲が広かったり、治療開始が遅れたりした場合、完全に元通りにならないこともあります。

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