福岡早良区の形成外科・皮膚科の星の原クリニックです、【ホクロ】はよくある良性腫瘍ですが、黒〜褐色で【ホクロ】に似た悪性腫瘍が時々紛れ込んでいます、このページでは【ホクロ】に似た悪性腫瘍について医師が解説いたします。
以下の内容は院長の林が執筆しています「文責:星の原クリニック院長 医学博士 林 俊」
悪性のホクロ・ホクロもどきの種類
【ホクロ】の悪性腫瘍では【悪性黒色腫・メラノーマ】が一番有名ですが、黒〜褐色の皮膚の悪性腫瘍では【基底細胞癌】や【光線角化症】の方が患者さんの数は多いです。
- 基底細胞癌
- 光線角化症
- 悪性黒色腫
基底細胞癌
頻度の高い皮膚癌で高齢者の顔など太陽の当たる部位によく出来ます、日本人では9割の基底細胞癌は黒〜褐色でホクロと似ています、転移することは稀で3〜10mmマージンをとって外科的に切除します。
光線角化症
皮膚の浅い部位=表皮内の皮膚癌です、放置すると有棘細胞癌に発展します。【ホクロ】と似ているタイプの外観は扁平で褐色〜茶色の盛り上がりで、赤みや薄皮が剥ける事があります、高齢者の太陽が当たる部位によく出来ます、1〜3mmマージンをとって外科切除します。
悪性黒色腫
メラノーマとも言います、ホクロの癌です。悪性度が高いため専門医による治療が必要です。
悪性の特徴
以下の症状は悪性の皮膚腫瘍で良くある特徴です、最終的には病理検査(顕微鏡の検査)が必要となります(保険診療)。
- 大人になってから新しくできた
- 短期間に目立って大きくなった
- 例:1~2年で直径2~3mm程度のホクロが6mm以上になった等
- 大きさが7mm以上
- 形が左右非対称
- 周りに染み出す
- 色ムラがある
- 辺縁がギザギザしている
- 赤みがある
- びらん・潰瘍がある
- 出血する
ホクロの癌の発症年齢
ホクロの癌(悪性黒色腫)は20歳台から増え始め、60〜70歳代で一番多くなります、多くは30歳以降にできるのが普通で,10代,20代ではまれです.10歳以下にはほとんどありません。
足の底のホクロは取ったほうが良いですか?
足の裏のほくろは、他の部位の【ほくろ】に比べて癌になりやすく、日本人の場合は悪性黒色腫の約3割弱は足の裏に発症します。歩行することにより、【ほくろ】を刺激することが発がんの原因と考えられています。特に、成人になって出現してきた【ほくろ】は、より癌になりやすいので要注意です。