手のひら、足の底の小さな白いブツブツ、皮膚のガサガサ.......
掌蹠膿疱症かもしれません、このページでは掌蹠膿疱症の原因・治療法について解説いたします
以下の内容は院長の林が執筆しています「文責:星の原クリニック院長 医学博士 林 俊」
掌蹠膿疱症とは
掌蹠膿疱症とは手のひら、足の裏に小さな膿疱や水疱が繰り返し出来る病気で、膿疱・水疱が破れた後に、皮が剥けます。水虫・乾癬・異汗性湿疹(汗疹の一種)と症状が似ているため間違われやすく注意が必要です。
- 手のひら、足の裏にできます
- 極稀に【下腿】【膝】に出来ることがあります
- 小さな膿疱や水疱ができます
- 膿疱・水疱が破れた後に、皮が剥けます
- 水虫と見た目がとても似ています
原因
扁桃腺や、虫歯、歯科の金属(パラジウム)等、喫煙が関係していると言われています、しかし患者さんのうち7~8割は検査をおこなっても原因を突き止めることができません。扁桃腺や、歯、鼻などへの感染症がない場合は、金属アレルギー(パラジウム)の可能性があるため、パッチテストを行います。
- 原因不明(70%)
- 扁桃腺・虫歯
- 喫煙
- 金属アレルギー(パラジウム)
治療法
当院では以下の治療法を組み合わせます、手足の皮膚症状はほぼ全例コントロール可能です。
- ステロイド軟膏
- ビタミンDの軟膏
- 抗生物質の内服
- 短期間のビタミンA誘導体の内服
- エキシマライト(VTRAC)
- UVB(J-TRAC)
- 漢方薬(桂枝加黄耆湯)
- ピオチン療法
この病気は一生治らないの?
2〜3割はアレルギー金属の除去や感染病巣の除去で改善しますが、7〜8割は原因が判っていませんが、ほとんど方で3〜7年で自然に治ります。
注意点
- 8割の患者さんは喫煙者です、タバコは控えましょう。
- 約10%で胸の関節や骨が痛むことがあります、症状がひどい場合は整形外科の先生に相談します。
- 糖尿病や甲状腺の病気が併発することがあります、動悸・喉の渇き・疲れやすい・体重変化がある場合は採血の検査を行います。
- 人には伝染りません、また遺伝することも稀です
よくある質問
Q:膿が溜まっていますが、細菌に感染しているのでしょうか?
A:無菌性膿瘍といって、細菌は入っておりません、水虫による膿の可能性もあるため顕微鏡検査をする場合があります
Q:この病気は他人にうつりますか?
A:他人にうつることはありません。海外では特定の遺伝子を持った人での遺伝した例が報告されていますが、日本人では稀です。
Q:掌蹠膿疱症は完治しますか?
A:患者さんのうち2~3割は病巣感染や金属アレルギーが関与していることが判っています、原因は特定できれば治癒が期待できます。残念ながら、患者さんのうち7~8割は原因が不明で対症療法でなります。しかし掌蹠膿疱症は3年から7年でほとんどの症例が自然に治ってしまうことがわかっています。