眼瞼下垂の検査
このページは星の原クリニック 院長 林俊(医学博士)が記載したものです。
眼瞼下垂の診断のフローチャート
以下のフローチャートのように様々な疾患の可能性があります、問診と診察で絞り込んでいきます。
問診
問診は最も大切な診断手技です、【いつから?】【ハードコンタクトは?】【眼を擦る癖は?】など、この段階で80%原因が推測できます。
診察・計測
① 瞳孔の露出の程度
- 瞳孔がどれだけ見えているか?を見ます、瞳孔が100%見えている状態では【視界】に影響はないため、ほとんどの場合、治療の必要がありません。
- 逆に瞳孔ある程度隠れている場合は、上瞼で隠れているのか、弛緩した上瞼の皮膚で隠れているのか?一重で隠れているのか?を以下のプジーをつけって調べます
② プジー検査
【プジー】という細い金属棒を上瞼に当てて、【皮膚のたるみ】【挙筋の筋力】【ヘリング現象の有無】などを確認します
挙筋機能検査
筋肉(上眼瞼挙筋)がどれくらい動いているかを調べます。眉毛の上を押さえおでこの力を使わないようにした状態にして、最も下を見たときと最も上を見たときのまぶたのきわの移動距離を測定します、先天性眼瞼下垂で筋力自体がない場合の鑑別に有効な検査です。
③ MRD-1(margin reflex distance-1);瞼縁角膜反射距離
MRDは角膜反射(瞳孔中央)から上眼瞼縁までの距離
④ 眼瞼高
瞼裂高は角膜(黒目)の最下端から上眼瞼縁までの距離
MRD-1と眼瞼高について
③と④のMRD-1と眼瞼高は当院では測定していません、理由としては眼の大きさ自体に個人差が大きいため(身長のように個人差が大きいです)、数値が眼の開きに具合に必ずしも相関しないためです。