福岡での保険診療での眼瞼下垂の治療をお考えの方
以下の内容は院長の林が執筆しています「文責:星の原クリニック院長 医学博士 林 俊
当院の眼瞼下垂術治療の強み
院長の林は過去に美容外科に8年間在籍していたため、一般の形成外科医に比べて多くの上瞼の手術を経験しております、眼瞼下垂の手術では腫れが少なく自然な仕上がりになるよう心がけています。
ショート動画(1〜2分)
眼瞼下垂の幅広い症状に対応します
- 皮膚の厚さ・脂肪の量
- 挙筋腱膜の状態
- 癒着の有無
- 眼の上の窪み具合・三重の有無
- 先天性・後天性?
保険診療で対応いたします
当院の手術は【健康保険】が適応される術式で行います。美容外科に勤めていた時期は【自費診療】で眼瞼下垂の手術を行っていましたが、手術の内容はほとんど変わりません。眼瞼の手術は眼科より【形成外科】での手術の方が、術後の仕上がりが安定していると思います。
審美性も配慮しています
保険診療での眼瞼下垂の治療は【視界不良の改善】です、手術後に審美的な面が改善される場合がほとんどですが、二重の幅の指定や、眼の形の指定は美容医療になり、自費での美容治療になります。
また手術中・手術後の【リスク】等についてご理解いただけない方は、当院の判断で治療をお断りすることがございます、ご了承ください。
眼瞼下垂の症状
【眼の開き】が悪くなる病気です、慢性的な頭痛、ひどい肩こり、眼精疲労、その他に自律神経失調の原因になります、外見上は眠たい眼になり、以下の様な特徴があります。
視界が狭くなります
右:60%の黒目(虹彩)が上瞼で隠れる 左:80%の黒目(虹彩)が上瞼で隠れる
【 外見的な特徴 】
- 黒眼(虹彩)の20%以上が瞼で隠れる(健常人は80%以上の虹彩が見えます)
- 瞳孔(黒目の中の黒目)が上瞼にかかって視界が悪い
- 眉を上げる癖がある
- 眼の上が凹んでいる
- 顎を上げる癖がある
頭痛・肩こり
次に目を開ける筋肉には眼瞼挙筋以外にミュラー筋があります、ミュラー筋は交感神経支配で、自分の意志ではコントロール出来ません。 自分の意志で上瞼を開けることできないので、脳は無意識の内にミュラー筋を使って眼をあげようとします、その結果交感神経が常に刺激された状態になります、交感神経は心拍数を上げ、血管を収縮させ、筋肉などの血流障害を招き、それが肩こり・頭痛・血圧上昇の原因となります。
- 慢性的に前額の筋肉(前頭筋)を使用しているため前頭筋の疲労。
- ミュラー筋の使用による交感神経興奮。
- 交感神経刺激による肩・首の血管収縮による血流障害。
眼瞼下垂の原因
多くはハードコンタクトレンズの長期装用と加齢によるものです、瞳孔異常や眼球運動障害などがある場合は動眼神経や脳神経の筋ジストロフィー症などの大きな病気が隠れている場合があります。
- 腱膜性(一番多い)
- 先天性
- 上瞼・皮膚弛緩症
- 偽性眼瞼下垂症(一重瞼など)
- 神経性(動眼神経麻痺・ホルネル症候群など)
- 眼瞼痙攣性(顔面神経痙攣)
- 薬剤性(心療内科系の内服で)
眼瞼下垂の検査
当院では詳細な問診と【プジー】という医療器具を使用して、上瞼の状態を確認します。
- 問診
- 診察
- 瞼縁角膜反射距離(MRD)の測定
- 瞼裂高の測定
- 挙筋機能検査の測定
手術の要約(前転固定術)
二重のラインにそって切開します
今ある【二重のライン】か、三重がある場合は【幅の狭いライン】で切開します。
挙筋腱膜を同定します
今ある【二重のライン】か、三重がある場合は【幅の狭いライン】で切開します。
挙筋腱膜の剥離
挙筋腱膜を【眼窩脂肪】や【ミュラー筋】から剥離し、動きやすくします。
挙筋腱膜の固定します
引きずり出した【挙筋腱膜】を腱板に糸で固定します
確認
左右差、眼の開き具合、眼の形、まつ毛の向きを調節します。
二重形成
一重は視界不良の原因となりますので、二重を補強します、広い二重は開眼に影響しますので出来ません、基本的に奥二重になります。
閉創・冷却
細かい糸で表面を縫合します、その後ベットで30分間、眼を冷やした後に医師の診察で腫れ具合、内出血の程度を確認後にご帰宅です、眼が腫れているのでご自身での車の運転での帰宅はできません。
手術前後の比較写真
術後の腫れのピークは術後2~3日です、内出血が出来る場合が有ります、ほとんど腫れは2~3週間で無くなります。
術前・術後写真1
黒目の下に白眼が見える現象を"lower scleral show"といい、重度の眼瞼下垂の時に良く見られます。
手術前・手術後写真2
手術前・手術後写真3
手術前・手術後写真4
手術前・手術後写真5
手術前・手術後写真6
手術の流れ
当日
- ハードコンタクトレンズ は手術前に外して頂きます。
- ソフトコンタクトレンズは装着した状態で手術が可能です。
- 手術時間は片眼で約30~45分になります。
- 術後、ベットで約30分間冷やして頂きます。
- 抜糸まで眼の上眼瞼のメイクは出来ません、上眼瞼以外はメイク可能です。
- 手術当日、車の運転はお控えください。
2日目以降〜
- 翌日;腫れ具合、血腫の有無を確認します。
- 3日目;腫れのピークです、腫れの為に眼が開けにくなっています。
- 7日目〜;抜糸、まだ腫れは残っています。
その他
- 術前に採血が必要になります。
- 術後の腫れは1〜2週間目立つ事があります。
- 片眼ずつの手術も可能です。
術後に腫れやすい方
- 目が小さい方
- 眼球が突出している方
- 上眼瞼の皮膚が厚い方
- 皮膚を切除した場合
- 過去に眼瞼下垂の手術をしたことがある方
- 手術中に出血が多い方
眼瞼下垂のQ&A
A: 多くの場合、ハードコンタクトレンズの長期装用と加齢によるものです。ただし、瞳孔異常や眼球運動障害などがある場合は、動眼神経や脳神経の筋ジストロフィー症などの大きな病気が隠れている可能性があります。
A: 眼瞼下垂は眼の開きが悪くなる病気で、慢性的な頭痛、ひどい肩こり、眼精疲労、自律神経失調の原因になることがあります。外見上は眠たそうな目つきになります。
A: 保険診療での眼瞼下垂手術の主な目的は視界不良の改善です。ただし、手術後に審美的な面も改善されることが多いです。
A: 保険診療での眼瞼下垂手術では、二重の幅の指定や目の形の指定はできません。これらは美容医療の範囲となり、自費での美容外科手術になります。
- 現在の二重のライン近くで切開します。
- 挙筋腱膜を同定して周囲からから剥離し、動きやすくします。
- 挙筋腱膜を腱板に糸で固定します。
- 左右差、眼の開き具合、眼の形、まつ毛の向きを調節します
A: 眼瞼の手術は眼科よりも皮膚の切開・縫合を日頃から行っている形成外科での手術の方が、術後の仕上がりが安定していると考えられています。
A: 手術後は30分間ベッドで眼を冷やし、その後医師の診察を受けます。眼が腫れているため、ご自身での車の運転での帰宅はできません。
A: 腫れ具合は個人差がありますが、一般的には術後の腫れのピークは2〜3日後です。内出血が生じる場合もありますが、ほとんどの腫れは2〜3週間で消失します。大切なご予定がある場合は一ヶ月は余裕を見てください。
術後の腫れや紫斑が出る可能性がありますが自然に改善します、また手術後に交感神経のシグナルが正常に戻るため以下の状態が起こることがあります。
- ほとんどの場合は一時的ですが視力が変わる場合があります。
- 眼の開きが良くなるため、ドライアイが悪化する場合があります。
- 緑内障が悪化する場合があります。
- 極稀に原因不明ですが乱視が悪化する場合があります。
A: ヘリング現象とは、片方の眼瞼下垂または左右差のある眼瞼下垂で、症状の重い方の眼を治療すると、治療した眼とは逆の眼の開きが悪くなる現象です。この現象が認められる患者さんは両方の眼の手術が必要になります。
手術代金
健康保険の種類によってご負担金額は異なります、両眼手術代金は3割負担の方で約22,000円(片眼)、1割負担の方で約7,500円(片眼)になります。別途初診料と術前の採血検査代金、お薬代がかかります。
- 3割負担の方で約22,000円(片眼)
- 1割負担の方で約7,500円(片眼)
- 両眼は上記の2倍になります
術後の視力等についての影響について
眼瞼下垂の程度ひどい方は、ミュラー筋を使用して眼を開けようとしているため、交感神経が過剰なシグナルを出している状態です、術後は交感神経のシグナルが正常のレベルに下がるので稀に以下のことが起こり得ます。
- 視力の変化
- 眼圧の上昇(緑内障の悪化)
- 乱視の悪化(極稀)
ヘリング現象
(Hering's law )について
両側の眼瞼下垂がある時に、一方のみを治療すると【治療した眼】とは【逆の眼】の開きが悪くなる現象を言います。ヘリング現象を認める患者さんは両方の眼の手術が必要になります。
ヘリング現象が起こるかどうかは手術前のシュミレーションである程度判ります、シュミレーションでヘリング現象が出た場合は両側の眼の手術が必要になります。