水虫の軟膏の塗り方
水虫を根絶するには薬の塗り方が大切です!足の指の間だけでなく足全体にタップリと塗るのが大切です、チューブ1本で片足で20日分の使用量になります。
水虫とは?
以下の内容は院長の林が執筆しています「文責:星の原クリニック院長 医学博士 林 俊」
医学的には白癬といいます、水虫は糸状のカビ・真菌が原因で出来る皮膚の病気です、白癬以外の真菌として、カンジタやマラセチアもあり治療薬が異なります。
水虫が出来るところ
白癬は髪の毛、爪、皮膚の角質に多くあるタンパク質の『ケラチン』を栄養としているので、ケラチンのない部位には水虫は出来ません、よって水虫の出来る部位は以下の3箇所になります。
皮膚
最もよくできる部位です、夏に多く湿った部位に出来ます、塗り薬を広く根気よく塗ると完治します。
爪
爪が生え変わるには1〜1年半近くかかります、飲み薬と塗り薬があります、飲み薬は最低3ヶ月、塗ぐりは9ヶ月〜12ヶ月塗る必要があります。
毛髪
髪の毛の99%はケラチンというタンパク質からできており、水虫の栄養源となりますが、戦前は良くあったようですが最近は滅多にありません。
足の水虫にはどのような症状がありまか?
小水疱型
小さな水膨れが生じ、水膨れが破れると皮が剥ける汗疱型とも言います。
趾間型
足の指の間に良く出来ます、皮が剥けたり、白くふやけたりします。
角質増殖型
足の裏全体が硬く、ガサガサになるタイプです、塗り薬があまり効きません
白癬の呼び名
- 足:水虫
- 股:インキンタムシ
- 爪:爪白癬
- 体:ゼニタムシ
- 頭部:シラクモ
白癬の患者数
足白癬は5人に一人、10人に1人は爪白癬、日本全体では常時1000万人の白癬患者がいます。
白癬の診断
水虫に似た病気があるため顕微鏡で確認します、残念ながら顕微鏡検査で100%見つかる訳ではなく、場所によって水虫が見つからない場合があります、特に爪の水虫は深い部位ににしか水虫菌がいないため、診断に苦労します。
水虫はどのようにして移りますか?
接触によって移ります、人だけでなく犬や猫の動物からも移ります、家庭内では足ふきマットやスリッパの共有などから白癬菌が足に付着します。そのまま素足でいれば癬菌は剥がれ落ちますが、靴下・靴を履き続けると、長時間白癬菌が足に付着して足白癬になってしまいます。
バスマット
水虫患者のいる家庭ではバスマットはこまめに洗いましょう。
スリッパ
水虫患者さんとのスリッパの共有は避けましょう。
ネコ・イヌ
ネコ・イヌなどペットから移ることがあります、ペットは動物病院で治療してください、御本人は当院にご来院ください。
水虫になりやすい環境
高温、多湿の環境、汚れや不潔なを好みます、毎晩入浴して足や体を清潔な場内に保つと白癬になりにくくなります、以下の項目に当てはまる方は水虫になりやすいです。
- 足をあまり洗っていない
- 毎日長時間靴を履き、よく足が蒸れる
- 汗とかきやすい、趾がいつも湿っている
- 糖尿病・免疫不全などの持病がある
水虫の治療は何がありますか?
『外用薬』と『内服薬』があります、内服薬は副作用が出る場合があるのでまずは外用薬で治療することが多いです。多くの場合2〜4週間で症状が改善しますが完治するには広い範囲に2ヶ月塗る必要があります。塗り薬でアレルギーを起こす方や、塗り薬が効きにくい踵の水虫には初めから内服薬を使用します。
- 塗り薬が基本です
- 浸出液がよく出る水虫は外用薬でアレルギーを起こしやすいため、初めから内服薬を使用する事があります。
- 踵の水虫は外用薬が効きにくいため、内服薬を使用します。
- 内服薬は2ヶ月ごとの採血が必要となります。
外用薬の種類
水虫の外用薬の効きやすさ図
抗真菌外用薬はいろいろあるのですが下の図より、ルリコンとニゾラールの二種類で十分だと思っています、それぞれ少ない量でよく効きます、白癬とカンジタ・マラセチアは使用するお薬が異なります
ルリコン
(ルシコナゾール)
《特徴》
- 医療機関のみ取扱いの外用薬です。
- 市販品よりよく効きます。
- 白癬・水虫には入手可能な薬の中で一番効きます
- マラセチアやカンジダにも程々に効果があります。
- 軟膏・クリーム・ローションがあります。
- 内服薬はありません。
ニゾラール
(ケトコナゾール)
《特徴》
- 白癬・水虫にはほとんど効きません
- カンジダやマラセチアに良く効きます
- クリームとローションがあります
内服薬の種類
ラミシール錠
(テルビナフィン)
《特徴》
- 白癬・水虫に特化した治療薬です
- カンジタやマラセチアにはほとんど効果がありません
- 白癬・水虫には内服薬の中で一番効きます
- 外用薬が使用できないケースや、爪白癬には第一選択となります
- 副作用が起こる可能性があるため2ヶ月に1回の採血が必要です
- 内服期間は最長で6ヶ月です
- 爪には内服を中止してからも半年近く効果が残ります。
- 爪の水虫に対して6ヶ月目の著効率は40〜50%です。
- 爪の水虫に対して12ヶ月目の治癒率は70〜80%です。
お薬代
(3割負担・後発品)
- 1ヶ月の薬代約550円
- 6ヶ月の薬代約3,300円
ネイリンカプセル
(ホスラブコナゾール)
《特徴》
- 爪白癬に特化した新しい内服薬です
- 3ヶ月間内服します
- 新しい薬のため薬価が高いです
- 副作用はラミシールより少ないです
- 1ヶ月の薬代約7,200円(三割負担・後発品)
- 3ヶ月の薬代約21,600円(三割負担・後発品)
お薬代
(3割負担)
- 1ヶ月の薬代約7,200円
- 3ヶ月の薬代約21,600円
イトリソールカプセル
(イタラコナゾール)
《特徴》
- 難治性のカンジタ・マラセチアの内服治療に使用します
- 飲み合わせの悪い薬が多いです
- 後発品(ジェネリック)でも薬価がやや高めなので当院で白癬・水虫の治療には使用しません
- 外用薬がなく、内服薬しかありません
- 白癬・水虫の治療にはラミシール錠の方がよく効きます
お薬代
(3割負担・後発品)
- 1ヶ月の薬代約2,340円
- 3ヶ月の薬代約7,020円
水虫(白癬)と似た病気
- 皮膚カンジダ症
- 接触性皮膚炎
- 細菌感染(紅色陰癬)
特に異汗性湿疹は見た目が水虫そっくりで顕微鏡検査しないと水虫と区別がつきません。
趾間ガーゼ
グジュグジュ水虫には趾間ガーゼを使用するよ早くなおり、不快感が軽減します。