はじめにcss
まず、ニキビはすぐには治りません、根気が必要です。高校生、大学生のニキビ治療は治療成績が良くほぼ保険診療のみ改善されます、難治性のニキビは自由診療で対応します。自由診療の施術料金はエステや一部皮膚科で見られるような治療費に何十万もかかりません(広範囲の背中のニキビを除く)、一番高価な施術でも一回1万円程度で5〜10回で経験上かなりの効果があります。
要約するとパネルcss
- すぐには治りません、根気が必要、治療には2〜3ヶ月は必要。
- 思春期のニキビはよく治る。
- 思春期以降の酷いニキビや背中のニキビは難治性です。
治療費は2ヶ月以上かかります
ニキビの治療経過(ディフェリンゲル外用の例)
赤ポイントパネルcss
どの治療法を用いても1〜2週間ではほとんど変化がありません、根気よく2ヶ月以上は治療が必要です、逆を言えば根気さえあれば8割以上のニキビは保険診療のみで治ります。
ニキビの原因1
ニキビは毛包内にある皮脂腺の過剰分泌と毛包漏斗部の角化異常による毛包開口部の狭窄、されらに毛包内の病原体の存在が原因です。いずれにしろ皮脂腺が分泌が多くなければニキビにはなりません。
皮脂腺の過剰分泌の原因
皮脂腺の過剰分泌には以下の様な原因があります
- 思春期の生理的な性ホルモンの分泌増加
- ホルモンバランスの異常や自律神経失調
- 下垂体腫瘍、副腎腫瘍などの内分泌系疾患
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS);男性ホルモン(テストステロン)の増加が良く認められます。
脂腺毛包
ニキビは脂腺毛包という、皮脂腺が発達した毛包内にできます、脂腺毛包は他の毛包に較べて毛が細く、皮脂腺が発達しています。
ニキビの原因2(病原体)
皮脂腺の亢進だけでは脂肌にはなりますが赤く腫れたり、膿んだりしません、炎症を起こす病原体は主に3つあります。
アクネ菌(プロピオニバクテリウム・アクネス)
グラム陽性桿菌です、嫌気性菌で空気の少ない所を好み、毛包内に存在します、誰でも持っている細菌で病原性は強くありません。原理的には抗生剤が効きますが、多くのニキビは抗生剤だけでは治りません。
マラセチア
真菌・カビです、脂を好む性質があり、脂漏性皮膚炎や癜風もマラセチアが原因です、顕微鏡で確認できます。抗真菌剤の外用や内服を行います。
ニキビダニ(Demodex folliculorum)
健常な方にもいる寄生虫の一種で、毛包内に寄生します、難治性のニキビや赤ら顔が酷い方は、多くのニキビダニが毛包内に寄生している場合があります、メトロニダゾールの外用薬や内服薬を、イオウカンフルローションで治療致します。日本国内より海外で問題になることが多く、ヒトだけでなくペットなどでも問題になります。
病原体がニキビ菌・マラセチア・ニキビダニかは顕微鏡検査で診断できます、重症のニキビの方はクリニックで顕微鏡の検査をいたします。
性ホルモンとニキビの関係
男性ホルモンと副腎のホルモンがニキビを誘発します
東京大学形成外科の吉村教授が解説なさっています、一般向け?ですが略語が多くて大変難解?
- 爆弾印が付いているホルモンが、4つの男性ホルモン(アンドロゲン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が皮脂腺を刺激してニキビの原因になります。
- アンドロゲン(男性ホルモン)は強く皮脂腺を刺激します。
- 女性患者では生理時期に多くなってくるプロゲステロン(プロゲステロン)がニキビを増やします。
- 女性患者では副腎由来のアンドロゲンがニキビに原因になります。
- 女性ニキビ患者で、DHEA、アンドロステンジオン、テストステロン、DHT(ようするに4つの男性ホルモン全て)が正常の女性に比べて有意に高いという報告があります。
- 男性のニキビ患者を調べた別の報告では、ニキビ患者において有意に血中のプロゲステロン、テストステロン、アンドロステンジオンが高くいとの報告があります。
◆参考資料:www.cosmetic-medicine.jp/hormonal/a-acne.html
いろいろ難しい事が書いていますが、超要約すると男性の場合は精巣由来のアンドロゲンがニキビの最大の原因、若い兄ちゃんはニキビが多い!女性の場合は生理があるのでかなり複雑になります、まず黄体ホルモンが女性特有のニキビの原因になります、生理に関連してニキビが増えるのは黄体ホルモンが最も怪しい、また副腎由来のアンドロゲンも重要になります(副腎ホルモンが大量に投与しますと女性も男性化します)。
- 【ニキビ】目次
- ニキビ(入口)
- 各国治療ガイドライン
- 保険診療
- ディフェリンゲルの使い方
- 自由診療
- ディフェリンゲルと過酸化ベンゾイルの併用と副作用の比較
- 背中のニキビ