サージトロンの術後は深い皮膚欠損、潰瘍が出来ます、術後の管理がとても大切です。 また2〜3割の確率で再発を認めます、再発した時は、なるべく早く治療します
術後の再診について
爪の周囲・多発性・足底部のイボ再発のリスクが高くなります、なるべく術後の通院、経過観察をお願い致します、ご遠方で通院が不可能な方はメールでチェックさせて頂きます。
再診スケジュール
- 1週間後;術後の創の状態の確認 (感染やアレルギーの有無)
- 4週間後;術後の創の状態の確認 (感染の有無・治り具合を確認致します)
- 8週間後;順調で傷は乾いています、瘢痕の状態と再発の有無の確認します
- 瘢痕の状態と再発の有無の確認します
痛みの管理
小さいイボ
小さいイボの場合は痛みが問題になることはほとんどありません。
手足の指趾、手掌、足底部の大きなイボ
術後の痛みが問題になることがあります、ほとんどの患者さんは内服の痛み止めで管理可能です、 液体窒素の治療後に比べて軽度な事が多いです。
ハイドロコロイド絆創膏による浸潤療法
- 術後の管理はハイドロコロイド絆創膏で密閉した湿潤療法を行います。
- 湿潤療法は傷を乾かさずに湿った状態で治します、痛みが少なく、傷が綺麗に早く治ります
- ヤグレーザーが効きすぎて潰瘍・糜爛になった時もハイドロコロイド絆創膏を使用します。
ビハイドロコロイド絆創膏の貼付
- 術後1〜2週間、カデックス軟膏を使用している期間は毎日交換してください。
- その後はハイドロコロイド絆創膏は毎日交換する必要はありません。
- 浸出液を吸収して全体的に白くふやければ交換してください。
- 滲出液が少なくなれば3〜5日間が交換の目安です。
- 患部、及びその周辺は清潔に心がけてください。
- ハイドロコロイド絆創膏の上から アルコール綿、70%エタノールスプレーで消毒したり、ウエットティッシュ患部の周囲を拭いて清潔にしてください。
- 温水シャワーで傷口を良く洗い流してください、滅菌水の必要はありません。
- 足のイボの術後で、術後大量の滲出液が出る場合はハイドロコロイド絆創膏の上からガーゼ、又はオムツ等の吸水シートを当てると靴下や服が汚れにくくなります。
- ハイドロコロイド絆創膏がずれたり、外れる場合は弾性包帯でハイドロコロイド絆創膏の上から固定してください。
カデックス軟膏(ヨウ素系軟膏)
ヨウ素系と界面活性剤系の滅菌剤が入った軟膏で元々は褥瘡の治療薬です。消毒剤は創傷治癒にあまり良くありませんが、サージトロンの術後に1〜2週間使用するとイボの再発が少なくなります。また術後の爪周囲に出来た不良肉芽にも効果がありますので2週間以降も捨てずに保管しておいてください。
【イボの再発予防効果がある薬剤ですが、薬物アレルギーや術後の傷が深くなる等の副作用が稀に起こります、塗布直後に痛みを感じた場合は使用を中止してください、また術後3日目と一週間後の再診をお願いしております
抗生物質の軟膏
基本的には使用いたしません、細菌感染を起こしたときのみ使用します。
順調な術後経過
《術直後の傷》
- 手足の指先、手掌・足底は皮膚が厚いため、術直後は写真の様にエグれた傷になります。
- 爪に下に潜り込んだ場合は爪を切って、爪の下のイボも取ります。
《傷が治る過程その1》
- カデックス軟膏を使用している間は傷の治りは悪くなります。
- カデックス軟膏の使用を中止後、順調な経過をたどれば平でピンク色の組織が傷の凹みを埋め始めます。
- 傷の周囲のドロドロした褐色のものはハイドロコロイド絆創膏が溶けた物で、少し匂います が問題ありません。
《傷が治る過程その2》
傷の表面に白い膜が出来る場合がありますが、膿ではありませんので無理に取る必要はありません。
《傷が治る過程その3》
あと少しで傷が乾きます。
上皮形成完了
表面がまだガサついていますが傷が乾きました、1~2ヶ月硬い瘢痕になりますが6ヶ月ぐらいで軟らかくなります。
術後の管理(その他)
オムツシート等
浸出液の多い患部に使用します、患部に抗生物質と綿棒などで塗布後ハイドロコロイド絆創膏を張ります、その上から水分を吸収するオムツシートかナプキンなどをあてます、大きさ的には小動物用のペットシートが便利です。
弾性包帯
ハイドロコロイド絆創膏とオムツシートを固定するのに使用します。スポーツ用品店、薬局などで市販されている弾性包帯です、粘着力が強く、色が目立たなく、通気性が良好で蒸れにくいです。
除菌シート・除菌スプレー
術創の周囲を清潔に保つために市販の70%アルコール製剤を使用します、術後の傷ではなくその周囲の清潔維持に使います。患部を清潔に保つことはとても大切で細菌や異物が入ると傷の治りが遅くなります。傷には直接使用しないでください、傷には流水・抗生剤・ハイドロコロイド絆創膏を使用してください。
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